Classiques japonais avec furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lisez 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) de 正岡 容 (まさおかいるる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 147 226 caractères · 295 écrans
と大きく朱で書いてある橄欖と橙のリボンで飾られた写真姿を見たとき、
「ア」
今松は目を剥いた。
今の美髯の支配人とそっくりそのまま一天斎驚倒先生の写真が、大きくニコニコ笑っていたからだった。
翌朝、賑町の賑座へ行ってみた。
壮士芝居がかっているのに、あぐねたような曇り日の朝のしじまのなかに、そこには幟一本立てられていなかった。
絵看板もなく、大きな紙の立看板へすこぶる拙い字で、
『ペスト予防劇 血桜団 攘夷五郎太郎大一座』
と書かれてあった。
攘夷五郎太郎。
おっそろしい名前だな。
今松は眉をひそめた。
が、このまま引き返してしまえる場合でもなかった。
「お頼申します」
チグハグに二、三足汚い下足の脱ぎ棄てられてある、埃臭い楽屋口へ立って案内を乞うと、
「ドーレ」
間もなくドス太い声がして、ノッシノッシと大きな荒々しい足音が聞こえてきた。
「誰。なんの用」
三十そこそこの、ベットリ襟首へ白粉のあとを残した剣舞師のような大きな口をした、角張った顔の角張った身体つきの男が継ぎだらけの褞袍を着て出てきて、睨みつけるように言った。
「……あの、私、じつは」
どんな仕事でもいいからこの一座へ入れて使ってはいただけまいかと切り出すと、