Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lisez 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 264 133 caractères · 524 écrans
それで南条の後ろから、ひそかに鉄の棒を取り直して、
「や!」
と言って能登守めがけて打ってかかろうとすると、
「まあ待て」
南条はあわててそれを抑えました。
その時に能登守は銃を本式に構えて、いま飛びかかろうとする五十嵐の肩のあたりに覘いを定めながら、
「一寸も動くことはならぬ、何者であるか、そこで名乗れ」
この時、南条は急に言葉を改めて、
「お察しの通り、我々は余儀なく甲府の牢を破って、追い詰められ、心ならずも御当家へ忍び入り申したる者、貴殿は当家の御主人でござるか」
「いかにも拙者が当家の主人」
「当家の御主人ならば、もしや……駒井甚三郎殿ではござらぬか」
「ナニ?」
「駒井甚三郎殿ならば、御意得たいことがござる、よく拙者が面を御覧下されたい」
と言って、南条は蝋燭で自分の面を焼くばかりにして、じっと能登守に振向けていました。
「おお、御身は亘理」
能登守は篤と南条の面を見つめた後に、言葉がはずみました。それと共に構えていた鉄砲を取卸して、
「君はここにいたのか、この甲府の牢内にいたのか、それとは少しも知らなかった、今宵牢を破った浪士の頭は南条、五十嵐という両人の者とは聞いていたが、その一人が君であろうとは思わなかった。