Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

「又お株を始めやがったな。ヨイショ、これでいいか」

襖の横顔が突然消えて、黒いパンツを穿いた一本の足が、雨戸の隙間を横ざまに閃いたかと思うと、白い大きなものが、ドタリと投出す様に、畳の上に横わった。

今度は女の胸から腰にかけての胴体の一部が、区切られて見える事になった。その胴体が俯伏になって、観念したものの様に、じっと動かないでいた。艶々として恰好のいい身体だ。秋の初めではあるが、こう丸裸にされては耐らないだろうと、痛々しかった。

「ウフフフフフフフフ。気味がいいね。又歌おうか、あれを」

「歌うがいいよ」

すると、突然、嗄声が実に下手な節廻しで、安来節を歌い出した。

相川青年はそれを聞くと、脊筋を虫が這う感じで、ゾーッとしないではいられなかった。文句こそありふれた安来節だけれど、それはこの世のものではない。地獄の底から響いて来る、悪鬼の呪いの歌としか聞えなかった。

(あの声は一体どこから来るのだろう。その辺に坐っている人の様には思えないが)

相川青年は不思議に耐えなかった。雨戸を隔てているばかりではない。その声と彼の耳との間には、何かもっと障害物があるらしい。