Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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わらわのはんせいがい

妾の半生涯

福田 英子

Lisez 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) de 福田 英子 (ふくだひでこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 64 051 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

特に舅姑の福田に対する挙動の、如何に冷やかにかつ無残なるかを見聞くにつけて、自ら浅ましくも牛馬同様の取り扱いを受くるを覚りては、針の筵のそれよりも心苦しく、仮い一旦の憤りを招かば招け、かえって互いのためなるべしとて、ある日幼児を背負いて、窃かに帰京せんと謀りけるに、中途にして親族の人に支えられ、その目的を達する能わざりしが、彼も妾の意を察して、一家の和合望みなきを覚りしと見え、今回は断然廃嫡の事を親族間に請求し、自分は別居して前途の方針を定めんとの事に、妾もこれに賛して、十万の資産何かあらんと、相談の上、妾先ず帰京して彼の決行果して成就するや否やを気遣いしに、一カ月を経て親族会議の結果嫡男哲郎を祖父母の膝下に留め、彼は出京して夫婦始めて、愁眉を開き、暖かき家庭を造り得たるを喜びつつ、いでや結婚当時の約束を履行せん下心なりしに、悲しい哉、彼は百事の失敗に撃たれて脳の病を惹き起し、最後に出京せし頃には病既に膏肓に入りて、ほとんど治すべからざるに至り、時々狂気じみたる挙動さえ著しかりければ、知友にも勧誘を乞いて、鎌倉、平塚辺に静養せしむべしと、その用意おさおさ怠りなかりしに、積年の病終に医する能わず、末子千秋の出生と同時に、人事不省に陥りて終に起たず、三十六歳を一期として、そのまま永の別れとなりぬ。