Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lisez 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) de 福田 英子 (ふくだひでこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 64 051 caractères · 122 écrans
読む者強ちに、はしたなき業とのみ落しめ給うことなくば幸いなり。さて記すべき事とは何にぞ、そは妾の身体の普通ならずして、牢獄にありし二十二歳の当時まで、女にはあるべき月のものを知らざりし事なり。普通の女子は、大抵十五歳前後より、その物のあるものぞと聞くに、妾は常に母上の心配し給える如く、生れ付き男子の如く、殺風景にて、婦人のしおらしき風情とては露ほどもなく、男子と漢籍の講莚に列してなお少しも羞しと思いし事なし。さるからに、母上は妾の将来を気遣う余り、時々「恋せずば人の心はなからまし、物の哀れはこれよりぞ知る」という古歌を読み聞かせては、妾の所為を誡め給いしほどなれば、幼友達の皆人に嫁して、子を挙ぐる頃となりても、妾のみは、いまだあるべきものをだに見ざるを知りて、母上はいよいよ安からず、もしくば世にいう石女の類にやなど思い悩み給いにき。しかるに今獄中にありて或る日突然その事あり、その時の驚きは今更に言うの要なかるべし。妾の容子の常になく包ましげなるに、顔色さえ悪しかりしを、親しめる女囚に怪しまれて、しばしば問われて、秘めおくによしなく、遂に事云々と告げけるに、彼女の驚きはなかなか妾にも勝りたりき。