Classiques japonais avec furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lisez 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 113 247 caractères · 229 écrans
久子――その仮面強盗をたねに使おうというのですよ。あの強盗は、犯罪をやるときは、いつもおかめの面をかぶってるというんでしょう? そして真っ昼間でもかまわずにどこへでも現れて警視庁の役人を手こずらせているということでしょう? それに盗むものは宝石や貴金属ばかりで、しかも盗まれても別に困らないような人のものだけにしか手を出さぬというんでしょう?
健作――そうだ、金持ち連はそのためにびくびくしとる。だがそんな強盗をどうしようというんだ? まさか雇ってくるわけにもゆくまい?
久子――あなたに、明日その仮面強盗になっていただくんですよ。おかめの面をかぶって、ピストルをもって、すっかり仮面強盗と同じ服装をして、いい潮時を見はからって出ていただくんです。そうすると、きっと大騒ぎになってよ。
健作――ふむ、そりゃ面白い考えだ。わしが、おかめの面をかぶってピストルをつきつけたら、夫人連の中には気絶する者もあるかも知れん。そりゃうまい思いつきだ。だが、そんなことをしたら、警察の方がやかましくないか知らんて?
久子――そんな心配はないわ。玩具のピストルを使うんですもの。