Classiques japonais avec furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lisez 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 113 247 caractères · 229 écrans
探偵戯曲 仮面の男
第一幕
第一場
人物
青木健作 富豪
久子 青木夫人
芦田義資 警視庁探偵
牧 芦田の腹心の警部補
東山 亜細亜新聞社会部長
書生
正木夫人
島村夫人
塩田夫人
ある富豪
文枝 ある富豪の娘、東山の許嫁
女中
園遊会の客男女多勢、警官多勢
第一幕 第一場
成金実業家青木邸の主人の居間、室内の家具、装飾等卑俗なくらいにけばけばしい洋室である。主人青木健作は安楽椅子に沈みこんでシガーをふかしている。四十歳前後の、成り上がり者らしいタイプ。幕開くとすぐに左手の扉を開けて夫人久子がはいってくる。二十六七歳位の派手なつくり。ともにふだん着の和服姿である。
久子――ねえ、あなた、わたしいいことを思いついたわ。(椅子にかける)
健作――何だい、そんなにあわてて?
久子――さっきも、あなた仰言ったでしょう、何とかして明日の園遊会を世間にぱっと吹聴させる方法はないものかって。
健作――そうだせっかく費用をかけて園遊会を開いておきながら、ちっとも世間の話題にならぬようじゃその甲斐がないからね。今どき算盤珠のとれぬ仕事なんざ馬鹿々々しくてやれんからな。