Classiques japonais avec furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lisez 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 113 247 caractères · 229 écrans
第二幕
第一場
東山二人にちょっと会釈して出てゆく。
牧――(時計を見て)もう十時過ぎましたね。そろそろしたくをしなければ……
芦田――そうだ、あの家にはたしか門が三つあるはずだから三つの門は厳重にかためて、一時半過ぎたら誰も外へ出さないようにしておかねばならん。邸内へは君と僕と二人ではいってゆけば沢山だ。君はこれからすぐに部下の手配をしてくれ給へ。それからピストルは忘れんようにね。
――幕
第二幕 第一場
青木邸の庭園――中央に四阿があり、その手前にベンチが二つある。周囲は樹立。右手から主人健作と夫人久子とが話しながらはいってくる。健作はモーニング、夫人はきらびやかな洋装。
健作――いい按配だったな、天気がよくて(立ちどまる)
久子――ええ、もうだいぶ揃ったようですわ。余興も、模擬店も大成功よ。
健作――松木水声の漫談なんて、どうかと思ったが、受けたようだね。
久子――近頃の若い人には、落語なんかよりあの方がいいのよ。
健作――わしらにはもう若い者の好みなんてわからんな。ところで、ランチは二時からだったね。ランチでわしが挨拶する前に、例のことをやろうてんだろ?
久子――そうよ、あんたはここの所から(樹立を指しながら)おかめの面をかぶって、ピストルをもって出てくるのよ。