Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

世の情勢が伝わることもどうしても遅い。兵馬は強くても、大将はお偉くても、これは何割の損かわからない」

彼は、自分の任務の重いことを一しお感じた。

岩燕のように、麓まで駈け降りた。

鰍沢の町で、また馬を求め、それからは一鞭で、甲府へはいった。

盆地の甲府はむし暑い。

信玄の居城、躑躅ヶ崎の館は、常になくきびしく固められていた。

よほどな大問題か、軍議の折でもなければ、平常めったに通らない顔が、ぞくぞくと城門へはいったので、

「何事かあるな? ――」を、門の士卒でも予感していた。

戦国のいま、事があるといえば戦ときまっているようなものである。それかあらぬか、今朝から城内へ通った人々では、一族の孫六入道逍遥軒をはじめ、穴山梅雪、仁科信盛、山県三郎兵衛昌景、内藤修理昌豊、小幡信定、小山田備中守などの譜代などがあった。

「御軍議だろうか」

「いうまでもない」

「出軍とすれば、どこへであろう」

「さあ、どこへだか」

「川中島か、善光寺平の西か」

「上杉家とは、和議が成っておるはずだが」

「わかるものか。和睦と開戦は、天気のようなもので、急に風雨になった、こんな約束ではないといっても、その時はもう人間のせいにはならない。