Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

足軽の末までも、よく苦戦に耐えてくれた。

家康は満足だった。取りあえず左右の者の功を賞したのも、政治ではない、心からな満足の溢れであった。

湯漬を喰べ終るや否、彼は本丸を出て、諸所の防備を見まわり、天野康景と植村正勝のふたりに惣懸り口の防ぎを命じ、鳥居、内藤、水野、酒井の諸将を配して、大手から玄関口までの守りに当らせた。

諸将は、死守を誓って、

「たとえ甲州の大軍が、その全力をかたむけて、これに襲せ参りましょうとも、御武威を示して、石垣の一つだに、取りつかせることではございません」

と、口をそろえて壮語した。強いてでも、家康を安心せしめ、家康を励まそうとしたことばだった。

「うむ!」

家康は、その意気を受けとって大きく頷いたが、諸将がすぐ部署へ駈け向おうとすると、呼びとめてこう注意した。

「大手の城門、多門、玄関まで、すべて閉じてはならんぞ。城門はみな開けひろげておけい。――よいか!」

「えッ? ……何と仰せられましたか」

諸将はみな疑った。

自分たちの意志とはまるで反対な命令だからである。

すでに城門は大手といわずどこも鉄扉を閉めてある。味方の総くずれを追迫して、敵の大軍はもう城下間近まで来ているのである。