Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

いま世の裏を教えるのじゃ。悲しまず、疑わず、落着いて聞け」

いまにもわっと泣き伏しそうな彼女の面を見つめながら、長政はそう宥めて、

「信長が、そなたを、この長政に嫁がせたのは政略以外のなにものでもない。読めていたのじゃ、初めから信長の心はの」

と、語を切ってすぐ、

「だが――それと知りつつ、わしとそなたのあいだには、もう何ものも断てぬ愛が生じた。いつか四人の子が生れた。ここに至って、そなたはもう信長の妹ではない。長政の妻だ、長政の子の母だ。……敵の信長に、なみだをもつことは許さん。なぜ、そのように痩せるか、子にあたえる乳を渇らすか」

今になってみると、あらゆる運命の結果は「政略」という呪符から始まっている。

政略の花嫁――お市の方を娶った初めから、長政は同時に信長をも、

政略に富む男。

としか見られなかった。

政略も、もちろんあった。しかし信長は、心から妹聟の長政を愛した。初めから愛していた。

長政は、弱冠の十六歳に、もう将として陣頭に立ち、度々、南近江の六角承禎を破ってその領土を拡張し、信長がこの地方に驥足をのばしてきた頃には、浅井家の領土は、愛知川を境とするほど、目ざましい進出を遂げていた時だった。