Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

武者坐りのまま、藤吉郎は無造作にひきよせて、がぶがぶと、三口ほどに飲みほし、

「ああ、うまい。……きょうほど茶をうまいと思ったことはござらん。お世辞でなく」

「如何ですか。もう一ぷく」

「いや、渇は医えました。口中の渇は。……しかし心中の渇はどうしたら医えましょうな。三河どの、あなたは話せそうだ。ひとつ、それがしの相談あいてになってはくれまいか」

「この方は浅井家の臣、其許は織田方の使者。明らかな立場のうえで承ろう」

「長政どのに会わせてもらいたい。いかがであろう」

「その儀は、城門でお断りいたしてある筈。其許もまた、長政どのに会いに参ったのではないと仰せあったゆえ、お通し申したのじゃ。ここへ来ておことばを違えるなど、使者として醜しい弄策。かまえてお会わせいたすことはできぬ」

「いや、生ける長政どのに会おうとはいわん。長政どのの霊に、信長の代参として、一片の礼拝を遂げもうしたい」

「詭弁はやめられい。たとえお取次いたしたところで、長政様が会おうと仰っしゃる筈はない。この際、一ぱいの茶は、この方として最高な武門の礼を執ったつもりじゃ。恥を知るなら其許きれいにここからお帰りなさい」