Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

「……?」

そのうちに。

ぱちと、彼の眼は、鼓の音でさめてしまった。

膳部も酒も、いつのまにか退げられてある。

燭のみ白い。

「だいぶ寝たな……」

一洗された頭のかろさと、疲れの去った肉体から、すぐそう分るのであった。

同時に、彼はなんとなく身をつつむ陽気を感じた。居眠るまえまでは、巨大な墓場のようだった城中の陰々滅々な気が、一転して、鼓の音や、笑い声に変って、どこやらに和やかな温かさすら漂っている不思議を――急に発見したのであった。

「はてな」

狐につままれたような気がしないでもない。

しかし、はっきりと、眼がさめてからは、なおさら事実であった。鼓の音ばかりではない、謡うたう声もする。――もちろん遠くのほうで、微かにではあるが、どっと、笑うときなどは、はっきりと聞えて来た。

「奥の丸らしい」

彼は、人なつかしくなって、大廊下へ出てみた。

ひろい中之庭をへだてた彼方の大殿に、無数の明りと、たくさんな人影が見える。そよ風は、酒のにおいを送って来て、その風のまに、侍たちの手拍子が――

花は、紅

梅は、におい

やなぎは、緑

ひとは、こころばえ

人のなかの人

さむらい、われら