Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

さすらい人

「いかにわしでも、美しいおとめの前では、ちとしかねる話だから」

いわれて、清左衛門は気がついた。

いつのまにか、於通が来て、坐っていたのである。ほの白い顔に、燈火のまたたきをうけながら、漸蔵主の露骨なはなしにも、とんと無風の花の枝のような静けさで――。

「や。ここにも、慧春尼がひとりいた」

清左衛門は、ほんとに、びっくりしたような声でいった。

さすらい人

――鳥瞰して、視界のかぎりを、ここから見渡すと。

尾濃一円の平地には、網の目のような交通路と、静脈動脈にも似た大小の河川と、周囲の山岳地方からちぎれて飛びわかれているかのごとき丘陵と、無数の村落と、それから碁石の利きどころにも似た要所要所に町があり、また城がある。

郷、郡、国の境界は、それらの小都会の城地を中心に、複雑な勢力の入りくみかたをして、その分布をたしかに見分けるのはむずかしい。

朝に移り、夕べに変じ、どこはなにがしの何領といっても、忽ち領有権のかわること、四季の移りより早いからである。それをふつうとし、住む者も、異としていない地上だった。

天正十二年三月初め頃におけるこの一帯は、まさにそうした分布変動の直前にあった。