Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

……はて、誰か、法要の儀に、明るい者はおらぬか」

側にあった輝政は、自ら任を求めた。

「六月二日は、故右府様の御一周忌。そのお営みについて、大徳寺の僧どもと、打ち合わせの儀でございますか。……それなれば、拙者が出て、諸事、談合をすませましょう」

「む、古新(輝政のこと)には、昨年の大法要にも、奉行の一人であったな。今年の一周忌も、何かと、頼もうか」

「承知いたしました」

輝政は、別室へ立って、大徳寺から来た仙岳和尚や四、五の使僧たちと膝を交えて、夕刻まで、一周忌法要の相談をしていた。

灯ともし頃――

その間の訪客のひとりだった公卿が、牛車でここの役邸の門から帰ってゆくと、しばし客も絶えて、秀吉は夕風呂を出、丹波から来た養子の秀勝や前田玄以などを加えて、夕食を摂っていた。

ところへ、役邸の門の柳へ、従者に駒を繋がせて、どこからか立帰って来た者があった。

秀吉の座へ、すぐ近習の知らせがあった。

「ただ今、蜂須賀どのが、槙島からお帰りになりました」――と。

心待ちにしていた使いとみえ、秀吉は聞くと、

「帰ったか。これへ」

と、すぐ膳を退げさせた。

軒の翠簾に、風がうごき、どこかで女童たちの笑いさざめきが流れていた。