Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans

Aozora Bunko

まえには美男という感じがまず眼についた。しかしとらえどころのない軽侮の表情や、かたく心の蓋を閉じて韜晦するさまが、なんともいえぬ虚無感を人に与えたものである。それが今日はなかった。眉もはっきりと力をもち、眸子もよく光りを湛えている。まえには韜晦していたものが、今日まぎれもなく前へのしだして来ている。――そうだ、たしかにそこが変ったんだ。大助はむしろ驚きをもって秀之進を見まもった。

「先日お国許から松崎さんが出府して来ましたよ、それで心配していたんだが、例の刺客はどうしました、十日ばかりまえにお屋敷へ戻ったそうだが、結局会わずに済んだわけですが、松崎さんはあなたなら大丈夫、たいていの者に討たれる気遣いはないと云っていたが」

「松崎はなんのために、出府して来たんだ」

秀之進は箸を措いた。

「ようやくお言葉がさがったわけですな」大助は団扇を止めて、「こんど讃岐守さまのお国入りに当って、左近さまから旅中の御持薬の贈り物があったんです、その使者に選まれておいでなすったんですが、おもな用向きはこちらの情勢をみるためでしょう」

「もう帰ったのか」

「まだいらっしゃる筈ですが、それについて少し困ったことが出来ましてね、……しかし話をするには此処は暑すぎる、どうですか、済んだのなら、わたしの家へいきませんか」