Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans
道草
一
道草
一
午に近い日光が乾いた道をぎらぎら照りつけていた。少しの風もないので、笠を冠っていながら頸筋まで流れるような汗だ。仕方がないから脱いで汗を拭き拭きする。いっそ脱いだまま歩いてもみるが、日ざしが強いのでそれも長くは続かない。――府中で休めばよかった、こう思って大助が後ろへ振返ったとき、いま通り過ぎて来た町のほうから、十ばかりになる子供が一人、なにか叫びながら此方へ駆けて来るのが見えた。「おじさーん、おじさーん」と呼ぶように聞える。立停っていると間もなく、もち竿を持って汗まみれになって側へやって来た。
「おじさんを呼んだのか、坊や」
「そうだよ」子供はまっ赤な顔ではあはあ云っていた、「さっきから呼んでるのに聞えなかったのかい、地蔵ノ辻からずっと追っかけて来たんだぜ」
「そいつは済まなかったな、それでおじさんになにか用があるのか」
「無くってさ、用があるから追っかけて来たんじゃないか、もういちど町まで帰るんだよ」
「町へ帰るって、おじさんがかい」
「当りきさ、そうでなくって誰が帰るもんか」おそろしくこまっちゃくれた子供である、「町へ帰って松八っていう宿屋へ泊るんだよ」