Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans

Aozora Bunko

「お手柔らかにってどうお手柔らかなんだ」

「からす貝、黒馬なんぞのたぐいを勘弁して頂きたいんで、へへ、実はこれでも当時は竹亭寒笑先生でげすからな」

「そうかい」大助はにやりと笑った、「お手柔らかにね、わかったよ」

部屋へ戻ると藤尾はすっかり身じまいを済ませ、掻きあげた涼しい衿足をこっちへ向けて、窓からじっと雨の谷川を見ていた。

「風呂へはいって来ませんか、今のうちならまだすいていますよ」

「有難う存じます」

「このまま梅雨にでもなりそうで肌がじとじとする、ひとあびするとあとがさっぱりしますよ」

「……はい」

身動きもしないでじっと、凝ったようになにかを見ている。藤尾のようすに惹かれて大助がひょいとそっちを見た。谷川に渡してある小さな橋の上に、傘をさした武士が二人、この二階を見上げてなにか頷き合っていた。

――昨夜の人たちだな。

伊予の者ではないかと帳場へ訊きに来た、ゆうべの男たちに相違ない。そう気づいたので、大助はもう一方の障子も明け、わざとかれらに自分を見せるようにふるまった。

「見おぼえのある顔ですか」

「……はあ?」

「あの橋の上の男たちです、ずっとああして見張っていたんですか」