Classiques japonais avec furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lisez 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 541 caractères · 305 écrans
かれらの父、讃岐守頼儀には五人の子があった。長子を頼該(左近)二子を頼顕といい、頼胤はその三男である。……長子頼該が七歳のとき、父の頼儀は水戸家から嗣を迎えた。嗣子があるのに他家から養子をとるというのは妙であるが、これは水戸と高松との微妙な関係による。すなわち水戸の二代光圀は頼房の二男であった、長男の頼重は父の跡を継がないで別に高松へ松平家を創立したのである。光圀は二男たる自分が家を継いだことに非常な慚愧を感じ自分の嗣子には高松の松平を継がせ、水戸家三代には兄の子を迎えた、これが綱条である。綱条の跡を継いだのも高松の頼豊の子だった。そして同時に自分の子を高松へ養子にやるのである。こうして水戸と高松とは、実に濃い血のつながりと、本枝不離の密接な関係をもちつづけて来ていたのだ。
頼儀は水戸から頼恕を入れるとしばらくして長子頼該を高松へ移した。――病弱だから江戸にいては悪かろう。という理由だったが、まえから疎んじていたのが事実である。どういうものか頼儀は初めから頼該に愛を感じなかった。つぎの頼顕も同様だった。そして三男頼胤になると、まるで人が違ったように溺愛した。