Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんせい
新生
島崎 藤村
Lisez 新生 (しんせい) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 334 815 caractères · 663 écrans
七十四
愛子に絵画を学ぶことを勧め、南画で一家を成したある婦人に師事することを愛子の十三四歳の頃から勧めたのも、そういう青年時代の自分であったことを思い出した。
「何か簡単なもので好い、一寸した素描のようなもので好い。一つ描いて置いてっとくれ」
「描くには描きますが、今直ぐと言われちゃ少し困りますね」
と愛子は答えた。趣味というものに生きようとしているかのような愛子は、こうした家具の隠れた装飾なぞを叔父のように無造作に考えてはいないらしかった。いずれ彼女は下図でも造った上で、大阪へ発つ前にもう一度叔父の許へ訪ねて来ようと言出した。
「なにもそんなに丁寧なもので無くても好い。高が本箱の蓋じゃないか」
「いえ、そうは行きません」
と言って愛子は聞入れなかった。
七十四
その翌々日のことであった。節子が谷中から見えた時、岸本は根岸の姪の言ったことを彼女の前で思出して見た。
「お愛ちゃんがお前を褒めていたぜ――なんだか俺は自分が褒められたように嬉しかった」
と彼はその包みきれないよろこびを節子に言って見せた。彼の望みは、どうかして周囲に反抗しようとする彼女の苦い反撥の感情を捨てさせたいと思っていたからで。