Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Lisez 春泥・三の酉 (しゅんでい) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 86 075 caractères · 173 écrans

Aozora Bunko

七

急に田代は遮るように「自分で、若宮君、女形をこのごろ嫌だといっておるんで……」

「女形を嫌だ?」

「ふつ/\嫌だから止したい……」

「そ、それは、また……?」

かぶせて田代はいった。「ですから。――ですから、あたくし……」

七

……と、そのとき、しずかに入口があいた。

「何をしているんだな、おい。」みるなり田代はキメつけるようにいった。「三筋町からこゝまで何時間かゝれァいゝんだ?」

「お前のようなヒマ人じゃァないよ。」

入って来た小倉猛夫は、むッつりと、でも、「うたむら」の主人のほうへそれとないこなしをして、そういいながら田代のいるテーブルのほうへすゝんだ。

「でも、電話をかけたら、細君が出て来てすぐ行くといったじゃァないか?」

「うるさいからそういわしたんだ。――雨の中を、何も、幾たびもそんな人のうちへ行ったり来たりさせるこたァない。」

しずくの垂れる傘を小女の一人にわたすと、大きな体を田代のそばに割込ませ、すぐに小倉は手焙りのかげに置かれたしながきを手もとに引寄せた。

「おい、君、御紹介しよう。――日本橋の『うたむら』さんの御主人……というよりはもとの二長町の……」