Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans
やっぱり、ついて行くのはいやだ。
「どうだい、一緒に行くか。」
「…………」
「やっぱり、ここにいたいのか。」
「…………」
「どうした? 默ってちゃわからんが。」
「…………」
「母さんは、お前をつれて行きたいって言うんだ。」
次郎は、伏せていた眼を、ちょっとあげて父を見た。しかし、返事はしない。
「ところで、お祖父さんは、お前をこちらにおきたい、とおっしゃるんだ。」
次郎は、正木の老人の方をちらりと見た。が、またすぐ眼を伏せてしまった。
「困ったな。そうぐずぐずじゃあ。……だが、まあいい。今夜は、みんなこちらに泊るんだから、明日の朝までによく考えておくんだ。いいか、お前の好きなようにしていいんだからな。」
俊亮は、そう言って縁側を去ろうとした。すると、次郎が、
「父さんは、どっちがいい?」
俊亮は、予期しなかった問に、ちょっとまごついた。そして、しばらく次郎の眼を見つめていたが、
「父さんか。父さんはどうでもいい。次郎の好きなようにするのが一番いいと思っているんだ。」
次郎は、首をかしげて、右手の指先で、縁板をこすりはじめた。十秒あまりの沈默がつづいた。蚊が一疋、弱々しい声を立てて、次郎の耳元で鳴いた。