Classiques japonais avec furigana
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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
Lisez 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 110 caractères · 131 écrans
その箱を開かせて見ると、布の衣袴の尋常なると、布の七条の袈裟、ならびに十二門の戒儀をふかくおさめていた。法然がそれを見て、「それそれ、日頃源空が言ったことが違わない。この聖は由々しき虚仮の人であった。この持物を見ると、徳たけて人に尊ばれて、戒師になろうと思う心で行いをすましていたのだ」といったから、人が成程と分ったそうである。
治承四年の十二月二十八日、本三位中将重衡は、父清盛の命によって南都を攻め、東大寺の大伽藍を焼いて了った。その後元暦元年二月七日、一ノ谷の合戦に生捕られて都へ上り、大路をわたされたり様々の憂き目を見たが、法然上人に頼んで後生菩提のことをお聴きしたいという願いが切であったから法然は対面して、戒などを授けられ、念仏のことを委しく導道した。重衡が、
「この度生きながら、捕われたのは今一度上人にお目にかかる為でありました」と限りなく喜んで受戒のお布施のつもりで、双紙箱を取り出して、法然の前に差置いて、
「御用になるような品ではありませんが、お眼近い処にお置き下さって、一つは重衡がかたみとも御思い出し給わり取りわけて回向をお願いいたします」