Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
「…………」
「拙者と参った方がまだよいようで。……」
ここで三十郎はいやらしく笑った。
「拙者と参って例の洞で、また共住みというやつをする。……が、こんどはほんとの夫婦で。……ほんとの夫婦になるつもりで、拙者と洞へ参る気でなくば、拙者そなたを紀州藩士へ、ここで用捨なく引き渡す」
「…………」
無言ではあったが心の中で、菊女は考えざるを得なかった。
(紀州藩士へ渡されたら、妾の命はないかもしれない、三十郎と一緒に行っても、命には別状はないらしい。……それに時間もあることなのだから、その間に三十郎をなだめすかして、いやらしい望みを断たせることも出来れば、また逃げ出すことだって出来る。……三十郎と一緒に行こう)
で、
「三十郎様」
と、おとなしく云った。
「ご一緒に参るでござりましょうよ」
「それがよろしい」
と三十郎は笑った。
「二つない命とられるのと、男の肌を味おうのとは、全く比べものになりませぬからのう」
二人はこっそりと林の奥へ進んだ。
島の海岸の一所に、一隻の帆船がもやっていて、その胴の間で梶子と民弥とが、親しそうに話していた。
「あんなところにあんな人間が、ああ沢山いようとは、全く夢にも思いませんでしたねえ」