Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

「そう云ったものでもござりますまいよ」

と菊女は自信がありそうに云った。

「手を代え品を変えて説いたとはいい条、まだまだ他に二つばかり残っている手がござりまする」

「ナニ他に? 手が二つ?」

これは墨染めの法衣姿の僧範円の言葉であった。

「愚僧には萩丸殿殺された後で、経読む以外手はないに」

これにはみんな笑い出してしまった。

と、はじめて松浦民弥が、少しく膝を進めて云った。

「冗談事はさておいて、まこと菊女殿に策あって、萩丸殿に宥免状を、認めさせること出来ますなら、何よりのことと存じ申す、二つの手があると仰せられる。その手菊女殿仰せられたい」

それに勇気をつけられたように、菊女はいよいよ熱心に云った。

「その一つの手は萩丸殿を、虫部屋の中へ入れまして、一種の拷問をいたしますことで……」

「ナニ虫部屋へ!」

「おお虫部屋へ!」

「なるほど虫部屋!」

「これは凄い!」

「いかさま名案!」

「名案名案!」

「あの虫部屋へ入れられようものなら……」

「いかな強情の萩丸殿であろうと恐怖に堪えず苦痛に堪えず……」

「我々の云うこと聞きましょうぞ」

同志たちは口々に云い出した。

「もう一つの手は?」