Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans

Aozora Bunko

「どの方角?」

「この――」と彼は腕をのばした。

指さす方角に添って阿賀妻は磁石をのぞきこんだ。戸田老人は地図をひろげるのである。玉目三郎は、青く書きこまれた川を辿ってその方向をのぞいていた。

「この山――トウベツ山のふもと」

「ふん、どれ、念のため――」と大野順平もヤチダモの樹にのぼって行った。

あぶなかしく足をささえて、彼は樹上の人夫に重なって、そのものの指さす方を眼をしかめて見入った。

なだらかに波うっている一帯の山つづきであった。湧きだした雨雲の下に、あお黒く静かに拝み合っているひとつの峰がそれであった。

「あれに間違いはないか」と彼は片手を脇差にかけて見せた。

「山の恰好がそう変っちゃたまらない」

「しかし、貴様の見たのは冬だというではないか」

「夏だってあなた――遠くからみれば同じことです、第一、あそこには、あれより高いのは無えんだから」

「では許してつかわす」

「冗談でしょう――」と彼らはおりて来た。

高いところで見渡すと、それは指呼の間にあった。けれども、野の中に身を没してしまうと、はてしもなく遠方に離れているのだ。見えるものは、草また草のひと色である。