Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
十三等出仕のあの下役人は、連れて来た高倉祐吉を前におしだすのであった。
「ご前だ」
そう云われてお辞儀をしている少年を彼らは見おろしていた。戸外でなされたその者らの会話は、みんな、うすい板壁をとおして手にとるように聞えた。今更問いただすべき筋合いのものでもなかった。それ故、それぞれの思いに堕ちている大人にとってこの少年の出現は心をみだすほどの注意もひかないのであった。悪びれもせず、勿論臆した風もなく少年は隅の方に控えていた。誰も何とも云ってくれなかった。こちらから云いだすことも出来なかった。この席の人々と彼の間はあまりにかけ離れていた。口を利こうにも声が出ないのである。あるじである堀が何か一言云えばすべては済むのだ。そうすれば阿賀妻は自分に用があるというその子に向って、どうした?――と尋ねることも出来る。だが彼らの心は別のところに向いていた。灯影のとどかぬ隅の方に小さくなって、そして呼吸をひそめるような圧迫にかたくなっていると、高倉は自分の存在が消えるような気がした。
すぐに用のある他の者が現われた。さきほど使丁にそう云わせた街の仕事師の連中が、あちらの部屋からがやがや喋ってはいって来た。