Classiques japonais avec furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
笹の根のはじける音や葉の焼ける音や、何ものか動いているものの立てる賑かな気配も伝わって来た。焔の勢いに巻きあげられた笹の葉の燃え殻が天から降って来た。焼けてもくずれず、葉脈のあとを白いすじにして、黒い葉形をそのままに、枯葉のように落ちて来た。
屯所の小屋はテントがわりに、文字通り一夜の露を凌げば足りた。鍬や鋸やホソなどを外気にさらさせないためのものであった。そのそこに当座の糧食を運び入れて、難所と過労に疲れはてた彼らに、何はともあれ食事を供する場所でもあった。
山はひる過ぎから、きまって風に揉まれるのであった。それは、西北の海からおしよせて来て、広大な平原を限りも無く吹き抜けて行く。近くの樹々はごうごうとゆすぶれた。彼方の峰はうおンうおンとうなりつづけた。
やがて、日足のはやい秋の日暮れは、低いところから、樹林のなかや山峡やから、湧いて来た。草や木や、彼ら人間にとって持て余す邪まものを、豪奢に、全力をもって焚くのだが、燃えあがるその焔さえ、際涯のない夜のなかでは気の毒なほど沈んでいた。
ふくろうが間近かでほウほウと、この火を嗤っているような鳴き声を立てた。