Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans
で、少しばかり費い込んだ金もございます」
「いくらだ」
「前借りは五十両ほど――私の五年の給料でございます。それに費い込んだのは、二三百両もございましょうか」
「あまり少しばかりではないぜ、番頭さん」
「ヘエ――、でも二十年も勤めて、七両や十両の給金では、私も世帯が持てません」
「フーム」
和助の真意は解りませんが、女主人お米を殺す動機だけは確かに持っていそうです。
その次に呼出したのは和助の女房のお咲、これは和助より三つ四つ年上なのと、すっかり世帯崩れの女房振りで、亭主とは十歳ぐらい違いそうに見えます。十七八貫もあろうと思う、煮しめたふろふきのような水っぽい女。
「…………」
何にも言わずに、白い眼で平次と久三郎を見上げながら、小刻みに貧乏揺ぎをしているのでした。
「お咲さんといったね」
「ヘエ――」
「お神さんの殺されたことで、何か気の付いたことはないかえ」
「何にもありませんよ、親分さん方」
男のような太い声です。
「和助にろくな給料を出さなかったそうだから、お前もお神さんを怨んでいたろうな」
「ヘエ――、でも締り屋で通った方ですから、三度の物にありつけば、我慢が出来ないこともありませんよ」