Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans
平次の説明は寸毫の隙もありません。
「下手人は、親分、本当の下手人は誰で?」
茂七は始めて口を開きました。救われた色が、活き活きとその眼に新しい輝きを添えます。
「亭主とお米の仲を疑ったお咲だよ」
「えッ」
茂七よりも、ガラッ八と久三郎の方が、どんなに驚いたことでしょう。
「茂七を下手人にするのが気の毒になって、芝居風な仇っぽい台詞で、中庭の闇から八を口説いたのはあの女さ、あれでも昔は役者だ」
「…………」
「主人のお米に怨みは山ほどあったはずだ。亭主の和助の費い込みは露見しかけていたし、自分は奉公人よりもひどくコキ使われて一文の給金も貰わなかった」
「…………」
「お米を刺した脇差はたぶん和助のだろう。抜身を持出して、裏梯子から登り、お米の背後から一と思いに刺し、下へ降りたところへお夏が行ったのだ、――脇差の鞘が、たぶん和助の荷物か、あの女の荷物の中にあるだろう。それとも焼いてしまったかも知れない、土竈と風呂場をもう一度捜すことだ、燃えさしぐらいはあるだろう」
「親分、夜の明けないうちに、行ってしょっ引きましょう」
ガラッ八は立ち上がりました。
「いや、もう少し待つ方がいい、――あれ、丸屋の小僧が飛んで来るじゃないか」