Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans

Aozora Bunko

「――とおっしゃると?」

「あの姿のない大泥棒、近頃御府内を騒がせている幻の民五郎に」

「えッ」

「親分、私を助けて下さい。私ばかりじゃありません。丸山の御屋敷に残して来た、若様の御身の上もどうなるかわかりません」

「詳しく承りましょう、一体どうしたというのです」

平次は事の重大さに膝を乗出しました。

幻の民五郎というのは、一年ほど前から江戸中を荒し廻る不思議な怪盗で、銭形の平次も、こればかりは手を焼いていた相手だったのです。

幻の民五郎の正体は、誰も確かに見たと言う者はありませんが、大家や大町人を手当り次第に襲い、現金だけを盗んで歩く怪盗で、うっかりそれを妨げたり、追っかけたりしようものなら、虫のように刺し殺されることを覚悟しなければならなかったのでした。

姿を見た者をきっと殺す――それが幻の民五郎の流儀だったのです。

幻の民五郎は、唐紙や屏風の絵の中へも溶け込み、衣桁や衣紋竹の着物の中へも消えて無くなると言われました。とにかく、不思議な術を心得た怪盗で、一年越し、江戸中を人もなげに荒し廻りながら、南北の与力五十騎、同心二百四十人、その配下の岡っ引は何百人とも知れませんが、誰にも指も差させなかったのでした。