Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans
ガラッ八の鼻の穴は次第に大きくなります。
「何がどうしたんだ」
と平次。
「不思議なことばかりで、あっしには見当も付かねえ」
「何が不思議なんだ」
「第一、あの平太夫はそんな年寄りじゃありません、髪こそ真っ白だが」
「そんな馬鹿なことがあるものか、第一ヨボヨボして、歩くさえ不自由じゃないか」
「でも――」
「手前気が弱くてそんなつまらねえ事を考えるんだ。待ちな、俺が結構な禁呪を教えてやる。今晩あの平太夫の前で、あの娘を嫁にくれと言ってみるんだ」
「そんな馬鹿なことが言える道理はありません。痩せても枯れても向うは武家で、こっちはただの岡っ引だ」
「つまらねえ遠慮をするじゃないか。武家でも浪人だろう、手前は十手捕縄をお上から預かる一本立の御用聞だ」
「だって、あの娘は、あっしの事なんか、何とも思っちゃいませんぜ」
「いないことがあるものか。大ありの名古屋だ、畜生奴ッ」
「痛いッ」
平次の手は威勢よくガラッ八の背をなぐったのです。
「それでも文句を言うなら、結納の代りだとか何とか、いい加減な事を言って、これを見せるがいい」
平次は何やら風呂敷に包んだ品を、ガラッ八に持たせるのでした。