Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans
六
「三次、もう辰刻(八時)だぜ、起きろ、――銭形の親分が、手前に逢いてえとよ」
ヒョイと筵をかかげた親方。
「あッ」
一ぺんにのけぞりました。
「何だ何だ」
覗けば、馬方の三次、飼糧切りの中に首を突っ込んだまま、紅に染んで死んでいたのです。
「親分、こりゃ大変なことになりましたね」
「こんな事だろうと思ったよ」
忙しく死骸を起しましたが、頸を半分切落されて、冷たくなった三次から、何にも手繰りようはありません。
「こんな腕っ節の強い野郎の首を、飼糧切りに押し込むなんて、人間業じゃありませんぜ」
舌を巻くのは親方です。
「酔っていたんだろう。着物は泥だらけだ――」
「そういえば、馬鹿に当ったとか言って、フラフラしながら帰って来たようだが――」
解ったのはそれだけ、そこいら中を捜してみると、小判が一枚小粒が二つ三つ落ち散っていましたが、それがたぶん三次の命を奪った餌の残りでしょう。
「行こう、八、今度は品川だ」
平次は切り上げて、白日の中へ飛出しました。
六
品川の大黒屋へ行って、昨夜家をあけた者はないか――と訊いてみると、主人常右衛門始め、手代の千代松も、その他の奉公人も、宵から湿っぽく引っ籠って、一人も出た者はないとわかりました。