Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

七

平次の狸狩りにも、見る人が見れば理窟があるってわけさね、お品さん」

「有難うございます。この上はどうか、お出かけ下すって、手配をお願いします」

「いや、本所は石原の利助親分の縄張内だ、大急ぎで家へ帰って、どこまでもお品さんが思い付いた事にして、原庭の大法寺〈あの無住になっている荒寺〉の経蔵に手を入れさせるがいい、狸の巣はそこだ」

「…………」

「狸は弱いから、手先が二人も行けばたくさんだが、金貸し後家のお紺の家には凄いのが居るぜ。そこへは利助兄哥と、子分の者十人ぐらいで、すっかり用意をして踏込むがいい、こっちには手強いのが要る」

「親分は」

「俺は行くまでもないだろう、狸はもう罠に落ちているんだ」

「でも」

お品はひどく心許ない様子でしたが平次に追い立てられて、石原の家へ駕籠で帰りました。

七

その夜の捕物は、平次の狸狩りにもまして本所の人達を驚かしました。

大法寺の経蔵に向った二人の手先は、何の造作もなく、その中で馬鹿囃子をやっている、押上の笛辰と、その弟子で太鼓の上手と言われた、三吉を縛って来ました。

同時に金貸し後家のお紺の家に向った一隊は、そんな手軽なわけに行きませんでしたが、お紺を始め、その手代の嘉七、下女のお松を、どうやら、こうやら大骨折で縛り上げました。