Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 244 caractères · 231 écrans
平次はさすがに細かいところに気がつきます。
「おびんずる親分もそんなことを言っていました。万屋茂兵衛は、どこかに隠れていたに違いないって」
「で?」
「いい塩梅に、誰も万屋茂兵衛なんか見た者はありませんよ。金太親分が十手を振りかぶって万屋に乗込んで行くと、温かい味噌汁で、朝飯を三杯半食っていた――」
ガラッ八の話はしだいに面白くなります。
「土蔵の裏とか戸袋の蔭には、足跡ぐらいあるだろう」
「そいつが一つでもあったらお笑い種だ。この月になってから、雨も雪も一度も降らない上に、あの辺は家が建て込んでいるから、ろくな霜柱も立たねエ」
「なるほど、むずかしいな、――ちょうど良い修業じゃないか、もういちど行って念入りに見て来るがいい。家の者一人一人に逢って、孫六をうんと怨んでいる者はないか、喉から手の出るほど金のほしい奴はないか、よく訊いてみるがいい」
「親分は?」
ガラッ八は少し心細そうです。
「俺は外の噂を掻き集めてみよう。若主人の半次郎は先代の主人が達者でいる頃は、道楽が強くて潮来へ追いやられていたはずだ。近頃はさすがに一家の主人だから、馬鹿なこともしないだろうが、それでも一応は当ってみるがいい」