Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 244 caractères · 231 écrans

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

一

八五郎は一生懸命にまくし立てるのでした。事件の怪奇性を強調して、とかく不精な親分の平次を動かそうというのでしょう。

「それほどよく分っているなら、お前の手で不動様を縛って来るがいい。あわてて帰って来て、どうしようてんだ」

平次はせめてこんな事件でも、八五郎の手柄にさしてやりたいと思う様子です。

「ところが、そんなわけには行きませんよ。叶屋重三郎が慾に目が眩んで、もったいなくも不動明王の尊像を抵当に取ったから、仏罰が当ったに違えねえというので、不動堂の講中が、浪人くずれの大垣村右衛門を先頭に、叶屋に乗り込んで、お祭のような騒ぎですぜ。うっかり不動様を縛るような顔でもしようものなら、請合い袋叩きにされる――」

八五郎の仕方噺は次第に熱を帯びて、平次もツイ膝を乗出さずにはいられなかったのです。

「面白そうだな。もう少し順序を立てて、詳しく話してくれ。朝っから現場を掻き廻したんだから、少しは筋が通るだろう」

「筋が通り過ぎて困っているんで」

「ヘエ?」

「叶屋重三郎は、谷中三崎町で、寺方と御家人を相手に因業な金貸を始め、鬼とか蛇とか言われながら、この十二三年の間に、何万両という身上を拵えたのは、親分も知っていなさる通りだ――」