Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 244 caractères · 231 écrans
五
「深い方が、うんと血が出たようで、肉もハゼていますよ」
「そいつは大変だ」
「どうしたんです、親分」
「新規蒔直しだ。何もかも新しく組立てなきゃ」
廊下に出ると、梯子段に腰をおろして、平次はがっちり考え込んだのです。
それから間もなく、平次とガラッ八は、ゆうべの関係者を一人一人当って歩きました。
巴屋の五助は町内の家作持で、四十を越した年配ですが、お秀を後添いに望んでいたという外には、何の企みもなく、昨夜のことも表面に現れたこと以外は何も知りません。
「お秀を怨む者はなかったのかな」
「枡田屋の菊次郎さんが、怨めば怨んでいるでしょう。平常お秀さんと張り合っているお紋だって、あんまりいい心持はしないかも知れませんよ」
こんな話では一向埒があきません。
枡田屋の菊次郎は、それに比べると色々のことを知っていました。
「私が一時お秀さんを怨んだことも本当ですが、近頃あの人は猪之松さんに夢中だから、諦めてしまいましたよ。それに私は、この秋はいよいよお紋と一緒になる約束ですから――」
そう言えば何の別条もありません。
「昨夜、小用を足して二階へ帰ったとき、ひどくソワソワしていたそうだが、何か変ったことがあったのか」