Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
「八、下っ引を五六人飛ばして、その辺の大名屋敷を片っ端から訊かせるんだ。盗賊は入りませんかと――いや待て待て――大名屋敷に伽羅や沈香があるのは不思議はないが、大名が町家の子供を五人もさらって行く道理はない――それにお新の弟の信太郎は、一度は無事に帰っている。あの子を殺したのは武家じゃない――権次を斬った人間とは別だ」
「すると?」
「待ってくれ、ほかにこの辺に大名屋敷はないのかな」
「ありませんよ」
近所の老人は答えました。
「伽羅や沈香は、こちとらの家にある品じゃない――ところで、鋳掛屋の権次は空地のどの辺に店を張って仕事をしているんだ。だいたい場所がきまっているだろう、炭の断片か、鉄屑があるはずだ。――この辺か、よしよし。ここから、子供たちの遊んでいた場所を見ていたとする。おや? あれは何だ」
平次は空地の向うの隅にある粗末な土蔵――月の光にほのかに光るのを指しました。
「去年お取潰しになった、讃州丸亀の山崎志摩守様のお下屋敷跡ですよ。土蔵一つだけ残っていますが、あれはひどい雨漏りで、山崎様御盛の頃払下げになり、取りこわすつもりで、そのままになっております」