Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
中には幾つかの唐櫃と長持。
「四人の子供がいる、一つ残らず開けて下さい」
平次の号令に、唐櫃も大長持も一つ一つ開かれました。
中から出て来るのは、夥しい骨董、金銀、香木。
「あッ、これはどうだ」
何千両とも、幾万両とも知れぬ大判小判の波の中に、町役人はただ驚きの声をあげるばかりです。
「子供はいない」
「そんなはずはない、もう少し見て下さい」
残る長持が二つ、その中の一つを開けると二人の女の子が半死半生で転げ出ました。
「あ、お光ちゃんと、お留ちゃんだ」
もう一つの長持には、残る三次と孫吉。
四人とも生きた色もありませんが、そのとき駆け付けた親兄弟に抱き上げられて、ただシクシク泣くばかりです。
土蔵の中にあったのは、昨年三月、八歳の当主虎之助治頼が死んで、公儀からお取潰しになった、丸亀四万五千石の城主、山崎家の財宝ばかり。側用人丹下村右衛門は先代志摩守歿後ドサクサ紛れに三万六千両の黄金と、おびただしい財宝骨董をこの土蔵に取込み、山崎家取潰しの時これを目録から除外させて、ほとぼりのさめた後、持ち出すつもりでいたのです。
子供ら五人を土蔵に封じたのは、隠れん坊に浮かれて、うっかり閉めずにおいた土蔵の中に入ったのを、村右衛門が発見して大いにおどろき、五人ことごとく縛って猿轡を噛ませ、長持に入れて口を塞ぎ、土蔵の秘密の