Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
二
手代の栄吉の言うのも全く無理のないことです。
ともかくも、お万の死骸を家の中に移さして、これから一と調べという時、
「親分、大変なことがあったんですってね。何だってあっしを呼んで下さらなかったんで」
甚だふくれて飛び込んできたのは、ガラッ八の八五郎でした。
「八か、そう言ってやる隙がなかったのさ。まア、手を貸してくれ。いい塩梅だ」
「何をやらかしゃいいんで?」
「近所の噂を集めてくれ、いつもの通り」
「それだけですか」
「後は後だ。まずそれだけでいい」
平次は八五郎を追っ払うようにして、死んだお万にひどく同情を寄せている手代の栄吉から調べ始めました。
二
この男はもう三十を越したかもわかりません。典型的なお店者で、物柔かな調子や、蒼白い顔や、物を正視することのできない臆病な態度など、岡っ引にとっては、くみし易い方ではありません。
「先代の旦那様は、安兵衛様とおっしゃって、一と月ほど前に亡くなりました。病気は卒中という見立てでございました。若旦那の安之助様は、二年前から勘当され、潮来の遠い親類に預けっ放しで、親旦那様の御葬いにもお呼びになりません」
「世間並の道楽でもしたというのか」