Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
三
話は大方そんな事で尽きました。
三
「八、気が付いたか」
「何です、親分」
平次は往来へ出るとこんなことを言うのでした。
「あの家の中は、禁制の品だらけじゃないか」
「?」
「城という浪人者は、長崎あたりに居たんじゃあるまいか。羅紗やギヤマンや更紗や唐木細工が一パイだ。抜け荷でも扱わなきゃあんな品がふんだんに手に入るわけはないよ」
「それがどんな事になるでしょう、親分」
「俺にも判らないが、城弾三郎が怨んでいたという、高木勇名という人に逢ってみよう」
そこから阿倍川町へ伸して、高木勇名と訊くとすぐわかりました。路地を入って奥の奥に置き忘れたようなひどい家で、城弾三郎の豪勢な暮しと、あまりにひどい違いようで、銭形平次も眼を見張ったほどです。案内を乞うまでもなく、破れた障子から中は見透し、大病人らしい父親を看護していた若い娘が、客の姿を見ると、いそいそと起って格子を開けてくれました。
「町方の御用を勤める平次と申すものですが、福井町の城弾三郎さんのことについて、ちょいとお話を承りたいことがございますが――」
平次の態度は慇懃でした。
「あの、父は永いあいだ患っておりますが――」