Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
それを見ると、
「これは何だ」
石巻左陣はサッと顔色を変えました。
「気の毒だが、少し見せて貰いましたよ」
平次はニヤニヤしております。
「これでも二本差だぞ、留守中に入って済むと思うか」
左陣は叱咤します。その後ろから心配そうに覗くのはガラッ八の顔です。
「こんなものを見付けましたよ、石巻さん」
「その下駄がどうした」
「丸屋の木戸の中にあった足跡にピタリと合いますよ」
「女子供の下駄はたいてい同じようなものだ、それがどうした。――尾羽打枯らしているがこれでも武士の端くれだぞ。何のために人の家へ入った。まずそれを言えッ」
石巻左陣は日頃の穏和さを失って、怒気を含んだ顔が紫にさえ見えるのでした。
「血染の脇差と、――もう一と品。――金の包を捜しましたよ」
「そんな物はあるまい」
左陣はニヤリとしました。が、その眼はしかし妙な方角へ――。
「判った、八。その下水の中を見ろ、石を起すんだ。俺はこの野郎と一と汗掻く」
「何を無礼」
「御用だぞッ」
平次はパッと石巻左陣に飛びかかったのです。
この捕物は、平次にしては思いのほか楽でした。奸智にだけ長けて、武芸の心得の怪しい石巻左陣を取って押えると、ちょうど八五郎は、下水の蓋になっている御影石を起して、その下から三百両の金包と、碧血斑々たる脇差を捜し出したのでした。