Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
「ヘエ――」
「高木勇名という人が、倅を勘当したのも、禍の我が子に及ぶのを恐れたためだろう。万一城弾三郎と生命のやり取りをして、勝てばいいが、負けては取返しがつかない。それに敬太郎は恐ろしく一本調子な若者だし、相手の城弾三郎は凄い腕前だ。――倅を遠ざけるに越したことはないと思って牛込の親類へ預けた」
「その凄い腕前の敵を、小娘の茂野がどうして殺したでしょう」
「何でもない事さ。――城弾三郎が抜け荷を扱っていることを、茂野が知っていたのかも知れない。それに平右衛門町の路地の入口には、父親が診てもらっている医者の寛斎がいる。近所の衆はあの晩茂野は二度も薬取りに出たといったじゃないか」
「…………」
「あの晩茂野が薬取りに行ったついでに覗いてみると、城弾三郎が桟橋を渡って海賊銀太の艀舟に乗った。話し声ですぐ帰ると解ったとしたら、茂野はどうするだろう」
「…………」
「家へ帰って脇差を持ってまた飛出したんだろう。平右衛門町へ行ってみると、まだ時刻があったから、桟橋の板を一枚外して待った。――板を結えた縄を解いて、踏めばすぐ外れるようにしておいたんだろう。――抜け荷の取引を済ませて帰ってきた弾三郎は、一杯機嫌で桟橋へかかると、首尾よく茂野の仕掛けた罠に陥ちて、板を踏み外した。