Classiques japonais avec furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans
改造の歩み
子供の名前はヒョウトクといった。それゆえにこの辺の村々では今日まで、醜いヒョウトクの面を木で作って竈の上に掛けておき、これを江刺郡では「かまぼとけ」とも呼んでいる。
改造の歩み
獺沢の佐藤氏は、農家で、漁業家でかつ役場の書記をしている。大きな昔風の家である。後ろの岡が一帯に海の際まで、無数の土器・石器とこれを使用した人々の埋没地であることを知らずに、久しい歳月の間これを耕して暮らしていた。世の中の変わろうとする近ごろになって、いろいろの学者が訪ねてくるようになったのだそうである。
十九年の普請というが、もとの地形にもとの手法で、以前の材が多分に用いてある。栗の木その他の天然の曲線が真率に利用せられ、ことに勝手の上の隅虹梁はりっぱな装飾である。江刺地方で童話になっている竈神のヒオトコの木の面が、通例掛けて置かれる場所である。自分はこの台所に腰を掛けて、杵や臼の話をした。
気仙の村々に今も用いらるる手杵の功用を尋ねてみた。すなわち上下に頭のあるまっすぐな杵のことで、われわれがわかりやすいために、平素兎の杵などと名づけているところのものである。兎の杵は十何年か前に、天草下島の大江あたりで、麻紋付の不断着の老女が使っているのを見てびっくりしたままであるが、この辺の農家では今もただの普通の器具である。