Classiques japonais avec furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans
餅・団子の根本の用途は、主としてこの木の装飾にあったかとさえ思われる。飾ると言うよりもその植物の実を用い姿をかりて、一年の豊熟を予習せしめようとするのであって、すなわち一種のあやかりの法術であった。今日は最初の理由も知らず、単にこの木を美しく作り立てる喜ばしさのみを遺伝している。家の内の春はこの木を中心として栄えるが、さらに外に出ると門口にも若木を立て、それから田に行ってもまた茂った樹の枝を挿して祝した。この枝の大いに茂るごとく、夏秋のみのりも豊かなれと祈願したものであるが、雪の国では広々として庭先に畝を劃して、松の葉を早苗に見立て田植のわざをまねるのが通例であった。稲はもと熱帯野生の草である。これを瑞穂の国に運び入れたのが、すでに大いなる意思の力であった。いわんや軒に届くほどの深い雪の中でも、なお引続いてその成熟を念じていたのである。さればこそ新しい代になって、北は黒竜江の岸辺にさえも、米を作る者ができてきたのである。信仰が民族の運命を左右した例として、われわれにとってはこの上もない感激の種である。
山の樹の中では松の葉が最も稲の苗とよく似ている。