Classiques japonais avec furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans
前に申した若狭の八百比丘尼の物語は、正しく系統を同じゅうする言い伝えであった。足利氏の中期に、若狭に八百比丘尼という長生の婦人ありしことは、すでに馬琴の『八犬伝』によってこれを知った人が多いが、少なくとも当時その風評は高く、ある時は京洛の地に入って衆人に帰依せられたことは、文安六年五月から六月までの、『臥雲日件録』や『康富記』、もしくは『唐橋綱光卿記』など、多くの日記の一致するを見れば疑うところはないのである。ただしいかにしてそのような長寿を得たかは、これらの記録には何も見えず、林道春が父から聞いたといって、『本朝神社考』に書いたのが一番に古いが、これとても『清悦物語』の出現よりは前であった。すなわち昔この比丘尼の父、山中にして異人に逢い、招かれて隠れ里にいたる。人魚の肉を饗せられてあえて食わず、これを袖にして帰りきたるを、その女食いて長寿なりといっているのがそれである。
同じ話はまた『若狭郡県志』、『向若録』などにも出ている。この方では父は小松原という村の人で、海に釣をして異魚を獲たのを、娘だけが食べたということになっている。美しい女性のいつまでも若いのを、「人魚でも食ったのか」