Classiques japonais avec furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans
火の管理者
もっともこの傾向をことごとく木炭の責任に帰するは明らかに不当な速断である。炭自身にはいまだかつて、砂糖の甘味や酒の酔いのごとき、流行をうながす力は具えていなかったので、実際はあたかも国風の変化、ことに家を同じくして住む人々の相互の関係が、一つの囲炉裏を取り巻くほど緊密でなく、さりとて飛び出して竈を別にするほども疎遠ならず、つまりは木炭を利用して各自の室のコタツに、割拠していたいというくらいの時代に到達していたために、この物が目にたって用いられることになったものかと思う。
火の管理者
人間が家を持ち家族というものを引きまとめえたのは、火の発見の結果といってよろしい。火と温度と食物との一大中心として、囲炉裏というものがもしなかったならば、とうてい今見るような家庭および社会はでき上がらなかったろう。民の竈といい、もしくは戸数を何十何煙といって算えたのは、実は一家の内に火を焚く場所が、ただ一つしかなかったことを意味するのである。
その火の管理者を日本ではアルジと名づけ、後にはまた御亭とも旦那殿とも称した。そうしてその管理権の所在を、具体化したものが炉の横座であった。