Classiques japonais avec furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lisez 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 271 caractères · 263 écrans
つまりは性が合わないんでしょうね。十月に這入って、土地も一としきり繁昌する時節だから、その稼ぎ時に五六日も家をあけて、些っと主人を困らせて遣りたいのさ。黒いおじさん、だしぬけで済みませんが、五六日の間ここへ隠まって呉れない……。
重兵衛 隠れるなら小田原へ行くがいいじゃあねえか。自分の家がある筈だ。
おつや 自分の家じゃあ直ぐに追手がかかるのは知れている。と云って、懐ろは秋風だから、東京や横浜までのして行って、ぶらぶら遊んでいるほどの元気も無し、ここなら誰も気が注く気づかいも無いから、まあ五六日隠まって貰って、好い時分に天から降ったようにのっそりと帰る積り……。ねえ、後生だから置いて頂戴よ。
重兵衛 飛んでもねえ主人泣かせだな。稼ぎ時に稼がなけりゃあ、主人が困るばかりでなく、第一自分の損にもなるじゃあねえか。そのくらいの理屈が判らねえのか。
おつや あら、忌だ。損得なんぞを考えて、主人と喧嘩が出来るかって云うんだ。はははははは。(笑いながら旅人に。)ねえ、あなた。そうでしょう。
旅人 (同じく笑いながら。)そうかも知れませんね。
おつや (重兵衛に。)そら御覧なさいな。