Classiques japonais avec furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lisez 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 271 caractères · 263 écrans
こちらだって、あたしに同情して下さるわ。黒いおじさんだって、女ひとりが斯うして駆け込んで来た以上、いざ縄打って代官所へなんて、野暮なことを云やあしないでしょう。
重兵衛 どうでおれは野暮な人間だが……。(苦笑いして。)まったくお前は女ひとり……。いくら月夜でも、これから夜道を追い返すわけにも行くめえ。今夜だけはまあ泊めて遣るから、あしたになったら何処へでも勝手に出て行ってくれ。長く泊めて置くことは出来ねえぞ。いいか。
おつや はい、はい。あしたになれば又あしたの風が吹きます。行き暮らしたる旅の修行者、一夜の宿をお貸し下されば結構でございます。まあ、まあ、これで安心した。あはははははは。(云いながら太吉に眼をつける。)あら、太ァちゃん、そこにいたの。あんまりおとなしいので、些っとも気が注かなかった。さあ、おばさんのとこへお出でよ。
(おつやに招かれて、太吉はその傍へ寄って行くが、やはり気味悪そうに旅人の顔色をうかがっている。)
おつや 太ァちゃん、お前どうしたの。木から落っこちた猿さんのように、今夜は忌にぼんやりだね。もう眠くなったのかい。
重兵衛 さっき寝かし付けたのだが、何か魘されたように怖い怖いと云って、又ここへ這い出して来たのだ。