Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

下の一つもだいたい同じ形だが、その方向だけは斜め下になっていて、創底は胸腔内に入っていた。しかし、いずれも大血管や臓器には触れていず、しかも、巧みに気道を避けているので、勿論即死を起す程度のものではないことは明らかだった。

それから、天井と鎧の綿貫とを結んでいる二条の麻紐を切り、死体を鎧から取り外しに掛ると、続いて異様なものが現われた。それまでは、不自然な部分が咽輪の垂で隠されていたので判らなかったのだが、不思議な事に、易介は鎧を横に着ているのだった。すなわち、身体を入れる左脇の引合口の方を背後にして、そこからはみ出した背中の瘤起を、幌骨の刳形の中に入れてある。そして、傷口から流れ出たドス黒い血は、小袴から鞠沓の中にまで滴り落ちていて、すでに体温は去り、硬直は下顎骨に始まっていて、優に死後二時間は経過しているものと思われた。が、死体を引き出してみると、愕然とさせたものがあった。と云うのは、全身にわたり著明な窒息徴候が現われている事で、無残な痙攣の跡が到る処にゆきわたっているばかりではなく、両眼にも、排泄物にも、流血の色にも、まざまざと一目で頷けるものが残されていた。